ガンダムコミック大全 - 番外編 - 輻輳のマーグメルド／左菱虚秋

輻輳のマーグメルド／左菱虚秋

ストーリー

舞台は惑星バロル
異例の大抜擢で艦隊司令官に昇進したラウ・ファーダだが
それは国王の超個人的な陰謀だった！
頼れるのは己の知略のみ！
ラウは迫る敵艦隊から母星を守れるか？
SFファンタジー巨編ここに開幕！ (第1巻あらすじより)

すべての宇宙から死者の魂が集い争う異界マーグメルド、今まさにこの異界へ誘われている者がいる。
異常な大抜擢で宇宙艦隊司令官となった惑星バロルの軍人ラウ・ファーダは、己の知謀を頼みに死地へと向かう！
イカれた国王、軍上層部、迫り来る敵の大艦隊―――ラウはどう抗うのか!? (新装版第1巻あらすじより)

作品解説

　「輻輳(ふくそう)のマーグメルド」は、2011年に創刊された月刊ニュータイプエース(角川書店)の創刊号より連載されているコミック作品。英文表記は「MARGMELLED of congestion」。以前にガンダムエース誌上にて「ガンオタの女」を連載していた左菱虚秋(さびしうろあき)によるコミック作品である。メカニックデザインに「機動戦士ガンダム00」などの柳瀬敬之を迎えている。

　版権モノの連載コミックが大半を占めるニュータイプエースの連載陣の中で、オリジナル作品として独特な存在感を放ちながらも、本作には原作者が置かれていないという点に驚かされる。左菱虚秋のそれまでの連載作品である「ガンオタの女」や「女子大生会計士」でみられていたコメディテイストは各所にスパイスとして多少盛り込まれているものの、明らかにそれまでとは一線を画すシリアスな作風により、壮大なSFファンタジーが展開されている。

　単行本2巻については2013年2月26日に発売予定ということで、2012年12月下旬より各ネット通販のサイト上や角川書店のサイト上などにおいて書籍情報が出回りだしたが、その後突然の発売中止となった。それについての出版社・編集部サイドからの告知はまったくされておらず、作者もその不満をツイッターであらわにしている。

　2012年11月20日からはニコニコ静画の「角川ニコニコエース」にて、無料配信が開始された。当初は毎月1話のペースで公開されていたが、上記単行本発売中止のフォロー企画として漫画家側からの起案により、一挙読み企画として2013年2月から3月まで毎週2～3話が配信され、ニュータイプエースの連載に追いつくための処置が取られた。

　掲載誌であった「ニュータイプエース」が2013年7月発売のVol.23で休刊となってしまったため、現在まで単行本にして4冊分の分量が単行本化未定のままである。

　掲載誌の休刊に伴い、最終話は角川ニコニコエースにて2013年8月20日から無料配信された。

　2013年10月18日より、作者の自主出版による新装版第1巻がAmazon Kindleから配信開始された。作者名が「さびしうろあき」とひらがな表記に改められている。こちらには、カラーの設定解説ページなどが追加されている。「漫画 on web」ではその第1巻まるまるが無料配信されている。

　配信での自主出版にともない、各巻巻頭には「バロル宇宙編」のサブタイトルが追加されており、今後の展開として「異界マーグメルド編」の可能性を予感させている。

　2015年6月に発行された柳瀬敬之氏のデザイン集「柳瀬敬之メカニックデザインワークス」(エムディエヌコーポレーション刊)には、本作の設定画が2ページにわたり収録されている。

収録コミック

No.
タイトル
著者名
出版社
シリーズ名
発行日
(発売日)
税込価格
(本体価格)
サイズ
ISBN
表紙
Shop
配信

a-1.
輻輳のマーグメルド (1)
左菱虚秋
角川書店
角川コミックス・エース
2012年06月09日
(2012年06月09日)
588円
(560円)
B6
978-4-04-120297-5

a-2.
輻輳のマーグメルド (2) [発売中止]
左菱虚秋
角川書店
角川コミックス・エース
2013年02月26日
(2013年02月26日)
588円
(560円)
B6
978-4-04-120422-1

b-1.
輻輳のマーグメルド (1)
さびしうろあき
(自主出版)
-
2013年10月18日
200円
(円)
-
-

b-2.
輻輳のマーグメルド (2)
さびしうろあき
(自主出版)
-
2013年11月07日
200円
(円)
-
-

b-3.
輻輳のマーグメルド (3)
さびしうろあき
(自主出版)
-
2013年12月16日
200円
(円)
-
-

b-4.
輻輳のマーグメルド (4)
さびしうろあき
(自主出版)
-
2014年01月17日
200円
(円)
-
-

b-5.
輻輳のマーグメルド (5)
さびしうろあき
(自主出版)
-
2014年04月14日
200円
(円)
-
-

初出一覧

巻
サブタイトル
(連載時サブタイトル)
掲載誌 (号数)
出版社
発行日
(発売日)
表紙

1
第1話死に逝く男
月刊ニュータイプエース [Vol.1 月刊ガンダムエース10月号増刊]
角川書店
2011年09月10日
(2011年09月10日)

第2話異界マーグメルド
月刊ニュータイプエース [Vol.2 月刊ガンダムエース11月号増刊]
角川書店
2011年10月08日
(2011年10月08日)

第3話パワーゲーム
月刊ニュータイプエース [Vol.3 月刊ガンダムエース12月号増刊]
角川書店
2011年11月10日
(2011年11月10日)

2
第4話狙うは非望
月刊ニュータイプエース [Vol.4 月刊ガンダムエース1月号増刊]
角川書店
2011年12月10日
(2011年12月10日)

第5話始まりの女
月刊ニュータイプエース [Vol.5 月刊ガンダムエース2月号増刊]
角川書店
2012年01月10日
(2012年01月10日)

第6話エンカウント
月刊ニュータイプエース [Vol.6 月刊ガンダムエース3月号増刊]
角川書店
2012年02月10日
(2012年02月10日)

第7話 VSアンサラー
月刊ニュータイプエース [Vol.7 月刊ガンダムエース4月号増刊]
角川書店
2012年03月10日
(2012年03月10日)

第8話異界への鍵
月刊ニュータイプエース [Vol.8 月刊ガンダムエース5月号増刊]
角川書店
2012年04月10日
(2012年04月10日)

3
第9話キーリスの気配
月刊ニュータイプエース [Vol.9 月刊ガンダムエース6月号増刊]
角川書店
2012年05月10日
(2012年05月10日)

第10話胎動
月刊ニュータイプエース [Vol.10 月刊ガンダムエース7月号増刊]
角川書店
2012年06月09日
(2012年06月09日)

第11話サティスファクション
月刊ニュータイプエース [Vol.11 月刊ガンダムエース8月号増刊]
角川書店
2012年07月10日
(2012年07月10日)

第12話尋問
月刊ニュータイプエース [Vol.12 月刊ガンダムエース9月号増刊]
角川書店
2012年08月10日
(2012年08月10日)

第13話猫を噛む
月刊ニュータイプエース [Vol.13 月刊ガンダムエース10月号増刊]
角川書店
2012年09月10日
(2012年09月10日)

4
第14話接近
月刊ニュータイプエース [Vol.14 月刊ガンダムエース11月号増刊]
角川書店
2012年10月10日
(2012年10月10日)

第15話楔
月刊ニュータイプエース [Vol.15 月刊ガンダムエース12月号増刊]
角川書店
2012年11月10日
(2012年11月10日)

第16話勝利と屈辱と
月刊ニュータイプエース [Vol.16 月刊ガンダムエース1月号増刊]
角川書店
2012年12月10日
(2012年12月10日)

第17話死地への誘い
月刊ニュータイプエース [Vol.17 月刊ガンダムエース2月号増刊]
角川書店
2013年01月10日
(2013年01月10日)

第18話槍の矛先
月刊ニュータイプエース [Vol.18 月刊ガンダムエース3月号増刊]
角川書店
2013年02月09日
(2013年02月09日)

第19話ア・フィアーズドッグ
月刊ニュータイプエース [Vol.19 月刊ガンダムエース4月号増刊]
角川書店
2013年03月09日
(2013年03月09日)

5
第20話生命の天敵
月刊ニュータイプエース [Vol.20 月刊ガンダムエース5月号増刊]
角川書店
2013年04月10日
(2013年04月10日)

第21話ドラゴンキラー
月刊ニュータイプエース [Vol.21 月刊ガンダムエース6月号増刊]
角川書店
2013年05月10日
(2013年05月10日)

第22話ラウVSルキウス
月刊ニュータイプエース [Vol.22 月刊ガンダムエース7月号増刊]
角川書店
2013年06月10日
(2013年06月10日)

第23話千年の意地
(狂王は燥(はしゃ)ぐ)
月刊ニュータイプエース [Vol.23 月刊ガンダムエース8月号増刊]
角川書店
2013年07月10日
(2013年07月10日)

第24話異界への扉
角川ニコニコエース [2013年8月20日 Vol.94]
角川書店
2013年08月20日
(2013年08月20日)

サブタイトル
掲載誌 (号数)
出版社
配信日
表紙
備考

第1話死に逝く男
角川ニコニコエース [2012年11月20日 Vol.55]
角川書店
2012年11月20日(第3火曜日)

角川ニコニコエースにて無料配信開始。雑誌掲載時の原稿ではなくて、加筆修正された単行本第1巻収録のデータを配信

第2話異界マーグメルド
角川ニコニコエース [2012年12月18日 Vol.59]
角川書店
2012年12月18日(第3火曜日)

雑誌掲載時の原稿ではなくて、加筆修正された単行本第1巻収録のデータを配信

第3話パワーゲーム
角川ニコニコエース [2013年1月22日 Vol.64]
角川書店
2013年01月22日(第4火曜日)

雑誌掲載時の原稿ではなくて、加筆修正された単行本第1巻収録のデータを配信

第1話死に逝く男
第2話異界マーグメルド
第3話パワーゲーム
輻輳のマーグメルド (別冊付録) 2/5
角川書店
2013年02月05日(第2火曜日)

一気読み企画が開始。雑誌掲載時の原稿ではなくて、加筆修正された単行本第1巻のデータをまるまる配信。以降毎週2～3話づつ配信

第4話狙うは非望
第5話始まりの女
第6話エンカウント
輻輳のマーグメルド (別冊付録) 2/12
角川書店
2013年02月12日(第2火曜日)

第4話以降は雑誌掲載のデータを配信。以降画質も第1～3話のものより向上している

第7話 VSアンサラー
第8話異界への鍵
第9話キーリスの気配
輻輳のマーグメルド (別冊付録) 2/19
角川書店
2013年02月19日(第3火曜日)

第10話胎動
第11話サティスファクション
輻輳のマーグメルド (別冊付録) 2/26
角川書店
2013年02月26日(第4火曜日)

第12話尋問
第13話
輻輳のマーグメルド (別冊付録) 3/5
角川書店
2013年03月05日(第1火曜日)

この配信により、翌週～3/11までは第1話～第13話まで一挙に読める環境になっていた

第14話接近
第15話楔
輻輳のマーグメルド (別冊付録) 3/12
角川書店
2013年03月12日(第2火曜日)

この回より毎週2話配信

第16話勝利と屈辱と
第17話死地への誘い
(第18話槍の矛先)
輻輳のマーグメルド (別冊付録) 3/19
角川書店
2013年03月19日(第3火曜日)

目次には表記されてないが、ミスにより第18話も一緒に配信されていた

第18話槍の矛先
第19話ア・フィアーズドッグ
輻輳のマーグメルド (別冊付録) 3/26
角川書店
2013年03月26日(第4火曜日)

この配信で、ニュータイプエースの連載に追いつく

第20話生命の天敵
角川ニコニコエース [2013年4月23日 Vol.77]
角川書店
2013年04月23日(第4火曜日)

この回から別冊付録としての単独配信ではなく、再び角川ニコニコエースにて配信

第21話ドラゴンキラー
角川ニコニコエース [2013年5月21日 Vol.81]
角川書店
2013年05月21日(第3火曜日)

配信日がそれまでの第4火曜日から第3火曜日に変更

第22話ラウVSルキウス
角川ニコニコエース [2013年6月18日 Vol.85]
角川書店
2012年06月18日(第3火曜日)

第23話狂王は燥(はしゃ)ぐ
角川ニコニコエース [2013年7月23日 Vol.90]
角川書店
2012年07月23日(第4火曜日)

最終話
角川ニコニコエース [2013年8月20日 Vol.94]
角川書店
2012年08月20日(第4火曜日)

雑誌「ニュータイプエース」には掲載されなかった最終話

Tips

・ニュータイプエースの単行本は当初版権モノの単行本のみが発売されていたが、無版権モノのオリジナル作品の単行本としては本作が初めての単行本化となった。

・キャラクター名やメカニックの名称の多く、ケルト神話をモチーフに命名されている。

・柳瀬敬之はメカニックデザインとしてクレジットされているが、メカだけでなく服飾などのデザインも担当している。

・単行本第1巻の帯では、「宇宙戦艦ヤマト2199」の総監督である出渕裕の推薦コメントが寄せられた。

・単行本第1巻では、Wonder GOOの店舗にて購入特典として、表紙イラストを使用したポストカードが配布された。関連リンク

・ニュータイプエース連載時には「輻輳のマーグメルドの設定世界」と題して、設定を紹介するページが設けられた。
Vol.1にはNo.1としてキャラクター紹介、バロル戦艦アンヴァル、アンサラーの設定画。(4P)
Vol.2にはNo.2として異界マーグメルドについて解説、ニャビット、機動戦車ネヴァン、戦闘機マッハ、テヒ＝テラ、ナージャの設定画。(4P)
Vol.3にはNo.3としてイルダナフとアンサラー、ラウの部下についての解説。(4P)
Vol.4にはNo.4としてアンヴァルの三段変形機構の解説。(1P)
Vol.5にはNo.5としてマナ・マクリル博士、ゴリアス・ムリアス博士、重力制御装置、バロル軍巡視艇の解説。(3P)
Vol.11にはNo.7として月輪3の解説。(1P)
… (No.8-12調査中)
Vol.23にはNo.13として月輪3の解説。(1P)

・カラーページについて
Vol.4には扉ページが初のカラー。なお解説ページもカラー掲載になる予定だったが、編集時のミスによりモノクロ掲載となった。
Vol.9には扉ページとあらすじページがカラー。この扉ページは後に単行本1巻の扉ページに使用された。

・2012年8月12日のコミックマーケット82(C82)では、柳瀬敬之のサークル「WINDFALL」より本作の設定集同人誌「R:W 13」(300円／B5／16p／フルカラー)が頒布された。2013年2月下旬より、コミックとらのあなで店頭販売、通販が開始された。関連リンク

左菱虚秋関連コミック

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