ガンダムコミック大全 >> 1990年代後半 >> 機動戦士ガンダム ムーンクライシス
(左:メディアコミックス版/右:電撃コミックス版上巻)
舞台はシャアの動乱(第二次ネオ・ジオン紛争)から6年後のU.C.0099の月面。反地球連邦組織ヌーベルエゥーゴとネオジオンの共同軍によるクーデターにより月面ジャックが発生する。しかしその計画が進むにつれ、ヌーベルエゥーゴのタウ・リンは、ネオジオンの象徴とも言えるミネバ・ザビに牙をむき、己が野望のために恐るべき計画を露わにする。
士官学校を出たての連邦軍の新米パイロット・タクナは新型ゼータ「ゼータプロンプト」のパイロットとして配備された。タクナが助けたドズルの忘れ形見であるミネバ・ザビは、彼らに「ハイライン計画」という、月自体の破壊を企むタウ・リンの、狂気ともいえる野望を告げる。この緊急事態の責任を感じたミネバは、単身月へと向かうが、そこには恐るべき罠が待ち受けていたのだった…。そして今、月面を舞台に、宇宙世紀を揺るがす戦乱の渦が巻き起こり、事態は宇宙を再び動乱の刻へと向かわせる。
「機動戦士ガンダム ムーンクライシス」(Mobile Suit Gundam: Moon Crisis)は、1993年から1994年にかけてMS SAGAに連載された、松浦まさふみによるコミック作品。前作「アウターガンダム」の続編となっており、松浦まさふみのガンダム漫画第二弾。公式作品ではなく、セミオフィシャル作品として位置づけられている。ファンの間では「ムンクラ」とも呼称される。
舞台は劇場版アニメ『逆襲のシャア』から6年後のU.C.0099。ネオジオン残党による月破壊計画を巡る戦いを描いた作品。ミネバ・ザビがストーリーの核となり、松浦まさふみの前作「アウターガンダム」の設定を織り込みつつも、作者なりのガンダムシリーズに対するアンサーが読み取れ非常にクオリティの高い作品である。
ファンの間では名作と呼ばれるほどの評判の高い作品になっている。前作である一年戦争時の「アウターガンダム」は公式設定に取り入れるには多少無理な設定も多々あったが、このムーンクライシスは設定的にもこのまま宇宙世紀の史実に入れてもムリの無い内容となっている。また、ゼータガンダムの後継機も多々登場し、作中にはカミーユ・ビダンとファ・ユイリィも医者として登場する。
単行本は1995年に過去にメディアコミックス版が全1巻で発刊された。後に1998年に電撃コミックスから復刊された際には、描き下ろしとして「ムーンクライシス外伝 HIGHLANDERS」と、B-CLUBに掲載された「機動戦士ガンダム 敵中逃亡者」と「機動武闘伝Gガンダム 硝煙の果て」を追加収録し、上下全2巻に分けて復刊された。
のちの2007年から展開された「機動戦士ガンダムUC」では、舞台がUC0096年となっており、ミネバ・ザビも登場することから、本作「ムンクラ」は完全な黒歴史となってしまった。UC原作者の福井晴敏氏は、本作のようなセミオフィシャル作品までは追っておらずまったく眼中になかったようだが、ファンの間ではUCとムンクラ、どちらがシナリオとして優れているか、ムンクラは公式設定の中にどうすれば盛り込めるのか、という論争が現在でも事あることに勃発している。
※No.aはオリジナル版。No.bは後にメディアワークス/主婦の友社からの廉価版。上下2巻に分けての発売。No.cはメディアワークス/角川書店の再発版。内容はNo.bと同一。
※No.aは本編の他に巻末に小牧雅伸(アニメック編集部)のコメントと作者のあとがきを、カバー裏にへ理屈探検隊スペシャルを収録。
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