ガンダムコミック大全 >> 1990年代前半 >> 機動戦士ガンダム MSジェネレーション
(左:バンダイ版上巻/右:メディアワークス版)
カメラは一年戦争の真実を迫った!! 華やかなガンダムの活躍のかげで雄々しく戦う無名の兵士とMS達! ガンダムGT-Four登場!! 機動戦士ガンダムの舞台である一年戦争を一人のカメラマンの目を通して描いたハードメカアクション登場。試作変形型ガンダム“GT-Four”の活躍を描いた中編を含むオムニバス。「ラムネ&40」「機動戦艦ナデシコ」「テッカマンブレード」のメカデザイン等で活躍中の中原れいが描く迫真のガンダムコミック。
「MS(モビルスーツ)ジェネレーション」(MOBILE SUIT GENERATION)は1989年から1990年にかけてバンダイ発行の情報誌「MJ(模型情報)」にて連載。
新聞社のカメラマンであるトーマス・P・イムスの目を通して、一年戦争の様々な戦場と、連邦のG-4計画の1つである「ガンダムGT-Four」の2つの局面を描いた作品。カメラマンという設定と、肝心のGT-Fourの話とはさほど連動しているわけではないため、物語としては中途半端に感じられるが、GT-Fourが絡まない読切りの話の方が実は評価が高い。
登場するガンダムGT-Fourは可変MSで、ガンダムがコアブースターを背負ったようなデザインのMSであるが、一年戦争時に可変MSがあったという設定は、どうも馴染めず賛否両論がある。しかし当初は未完成だったガンダムGT-Fourが、作品の進行とともに完成系へと変化していく経過は見ていて面白い。最終話ではジオン側の可変MS「ザクスピード」も登場するが、やはり一年戦争時としてはオーパーツ感が否めない。もしこれがZ以後の時期設定だったら結構名作になっていたであろうと思われる。
本作の前に「模型情報」に連載されていた「ダブルフェイク」は、現在でもMS大図鑑に機体が掲載されるなどして、かろうじて公式作品の面影を残しているが、本作「MSジェネレーション」は現在はそこまでの扱いはされておらず、非公式作品というレッテルを貼られてしまっている。しかしながら本作は企画・原案としてサンライズが参加しており、発表当時は大々的に公式作品として位置づけられて展開されていた。
一年戦争当時の史実からはあまりにかけ離れた内容のため、近年では本作を公式として扱うかどうかはファンの間では賛否両論となっている。当時はMSの設定画も起こされていたが、近年のMS大全集には収録されないことから、本作は非公式作品、との解釈もできる。
単行本は1990年の連載終了後もしばらくのあいだ発行されず、3年後の1993年になりようやく発行された。以前はバンダイ刊で上下巻で発売されており、SDクラブに掲載されたガンダムパロディー(上巻には「SDガンダム 珍桃太郎 前編・後編」が、下巻には「SDガンダム鉄人大レース!!」「SDガンダム キョンシーズ」「SDガンダム どきどき転校生」)が併録されていた。後にメディアワークスより1冊にして復刊された際には、それらSDガンダムパロディは未収録となっている。なおバンダイ版の巻末には、GT-FOURの設定資料も収録されている。
連載時のタイトルは「MS(モビルスーツ)ジェネレーション」「SIDE STORY OF GUNDAM MSジェネレーション」などであり、厳密には「機動戦士ガンダム」という文字は入っていない。最初に発行された単行本も同タイトルだったが、奥付にのみ「機動戦士ガンダム MSジェネレーション」の表記がされていた。メディアワークスから復刊された際に、「機動戦士ガンダム MSジェネレーション」のタイトルとなった。
連載時ならびにバンダイ版の単行本では、構成協力として朝霧哲也氏が明記されているが、メディアワークス版ではその表記は無くなっている。なお、朝霧哲也氏は、「ダブルフェイク」でも脚本協力としてクレジットされていた。
2016年2月26日より、電撃コミックス版を底本としたKindle版など、電子書籍版の配信が開始された。
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機動戦士ガンダム MSジェネレーション - Wikipedia
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