ガンダムコミック大全 >> 1980年代 >> MS戦記 機動戦士ガンダム0079外伝
(左から、ボンボンコミックスKC版/バンダイ版/メディアワークス旧版/メディアワークス廉価版/講談社廉価版/メディアワークス新装版)
宇宙世紀0079年。ジオン公国は地球連邦に対して宣戦を布告した。ジオン軍少年兵、フレデリック・ブラウンは、モビルスーツ「ザク」のパイロットとして、連邦軍との激戦に参加するが・・・・。(単行本あらすじより)
宇宙世紀0079年、コロニー群国家サイド3はジオン公国を名乗り地球連邦政府に対して宣戦を布告、独立戦争を仕掛けてきた。その戦争の渦中、落ちこぼれながらもジオンのMS訓練学校に入学した訓練兵フレデリック・ブラウンを通じて、TVでは表現されなかった一年戦争の局面をジオン兵士の観点から描いていく。同僚の死、上官との対立など、戦争の悲惨さや不条理さを苦悩し体感しながら、彼はオデッサやジャブローの戦場を駆け抜けてゆく。
『コミックボンボン』に1984〜1985年にかけて連載された、オリジナルストーリーのガンダムコミックとしては初の作品。構成に高橋昌也、プランニングにクラフト団を迎えて描かれた。一年戦争をジオンの一兵士からの視点で描かれたサイドストーリーで、MSのディテールや戦闘描写などリアリティを追求した作風は、後のMSV以降のガンダム作品に多大な影響を与えた。ガンダム外伝モノの元祖にして、最高傑作として呼び声の高い名作。黒い三連星との出会いや、オデッサでのガンダムとの交戦など、原作とも自然な形でリンクしている所も興味深い。尚、主人公のフレデリック・ブラウンは、その後の近藤氏のコミック作品に度々登場している。
当初は「機動戦士ガンダム MS戦記」というタイトルであったが、近年では「MS戦記 機動戦士ガンダム0079外伝」というタイトルになり、後年に同じく近藤氏により描かれた「機動戦士ガンダム0079」の外伝扱いとなっている。なお「ガンダム0079」にも本作のフレデリック・ブラウンが登場し、ファンを喜ばせている。
1984年に講談社のヤングマガジンで賞を受賞するも、編集部から「この絵柄では連載はムリ」と言われ、しかしメカ描写の才能を評価され、コミックボンボンで「MS戦記」が連載開始となった。連載は全4話で終わっているが、実は第5話も存在していた。しかし「Zガンダム」が放送開始されたために、4話で終わることとなった。本作の評価を受け、引き続き1985年からコミックボンボンにて「Zガンダム」のコミカライズを担当することになった。
2009年には古巣の講談社より、「機動戦士ガンダム MS戦記」のタイトルで廉価版コンビニコミックとして復刊した。
なお、バンダイから発行されたバージョンの初版の表紙には2079年の表記があるが、以降の版では0079年に修正されている。
メディアワークスから発行された旧版の表紙は、初版と2版以降で微妙に異なる。2版以降はザクの背景が無地に変更されている。
※No.aはボンボンコミックスよりリリースされたオリジナル版。巻末にはモビルスーツアルバムを収録。No.bはバンダイからの再発版。No.cおよびdはメディアワークスから発行された普及版。No.eはNo.cおよびdのコンビニ廉価版。
※No.bの巻末には「模型情報」に連載されたイラストコーナー「 PROJECT MOBILE SUIT」の第9回から第12回までを再構成して収録。さらにTALK SESSIONとして出渕 裕(デザイナー)・白石順人(ザ・テレビジョン編集)・モデラー(原口高陽・野本賢一・鎌田 勝)・守村 大(漫画家)・高田裕久(モデルショップMAXIM代表)らとのセッションを収録。
※aとfは巻末に設定集「モビルスーツ アルバム」を収録。eは巻末に設定集「MSファイル」と用語解説を収録
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MS戦記 機動戦士ガンダム0079外伝 - Wikipedia
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