ガンダムコミック大全 >> 2010年代前半 >> 機動戦士ガンダム サンダーボルト
宇宙世紀0079年。スペースコロニーの残骸(デブリ)が放電を続ける通称「サンダーボルト宙域」では、連邦軍とジオン軍による激しい戦闘が行われていた。先の見えない閉塞感の中出撃する連邦の兵士達の中で、そんな状況を謳歌するMSパイロット、イオ・フレミング。そして彼らを待ち受けるジオン軍の狙撃手、ダリル・ローレンツ。宇宙という戦場で、彼らの運命は、どのように交わるのか。
「機動戦士ガンダム サンダーボルト」(Mobile Suit Gundam: Thunderbolt)は、2012年より小学館のビッグコミックスペリオールにて連載された、太田垣康男によるコミック作品。太田垣康男氏はそれまで同誌上で「MOONLIGHT MILE」というSF漫画を連載していたが、それを一時休載してこの「サンダーボルト」が連載開始された。「機動戦士ガンダムAGE」のメディア展開にて小学館がガンダムへの参入が許諾されたのを機に、本作は一年戦争をテーマとしながらオレ設定全開なストーリーが展開されている。
このサンダーボルトの企画以前に、2010年年末より、太田垣氏を含む漫画家らがTwitter上でガンダムの落書きをはじめ、それらが角川の目に止まり、ガンダムエース2011年5月号に太田垣氏によるピンナップが掲載されることになる。
そして、2011年8月のコミケ80にて太田垣康男のサークル「太田垣スタジオ」から、ガンダムフルカラーGCイラスト集同人誌『GUNDAM rewrite』(A4フルカラー100ページ税抜3,500円)が頒布されることとなった。しかしベテラン漫画家の版権モノ同人誌が突然発表された(しかも高額設定)ため、同業者界隈からは大反感を買うことになり、その勝手な横行に後に版元から正式なクレームも付いた、らしい。
その高額同人誌はその後同人誌取り扱い店の店頭でも発売されたが、やはりその価格設定のため在庫はサバけず、流通関係者からも反感をかうことになり、後にこうしてサンライズ公認なガンダム漫画を正式に担当するにあたり、さらに業界同業者から反感をかってる。
作者がガンダム好きを公言しているものの、オレ設定を一年戦争に強引に盛り込むそのスタンスに、読者の間でも好き嫌いが分かれている作品でもある。
連載時から小学館による特設サイトが開設され、単行本第1巻発売時にはテレビCMも放映された。
なお、2013年の単行本第2巻発売時のビッグコミック本誌には「サンダーボルト外伝 砂鼠ショーン」が前後編に渡り掲載された。そちらは単行本「天才たちの競演 (2)」に収録された後、単行本第5巻にも収録された。
単行本2巻発売後の重版時のオビによると、累計発行部数は40万部を超えている。また、第3巻発売時のオビでは80万部を突破したと告知された。
2013年12月には、単行本第1・2巻の電子書籍版の配信が開始された。
雑誌「月刊ホビージャパン」(ホビージャパン刊)では本作の模型作例特集の連載も組まれ、それらはまとめられて後にムック「サンダーボルトメカ二クス」として発行された。
2013年8月には正式にガンプラでのキット化も発表され、8月31日のキャラホビ2013の会場では試作品が公開された。『フルアーマーガンダム(ガンダムサンダーボルト版)』『量産型ザク+ビッグガン(ガンダムサンダーボルト版)』『ジム(ガンダムサンダーボルト版)』の3体が、HGとしての同年12月に発売された。
なおガンプラ『フルアーマーガンダム(ガンダムサンダーボルト版)』の初回限定版には、コミックスと同サイズの冊子『機動戦士ガンダム サンダーボルト DOCK 01』が付属した。『DOCK 01』には、コミックスカラーイラスト集、世界観・人物紹介、劇中シーン再録、直筆ネーム&作者による作画解説、作者インタビュー、ジオラマ案などを収録。
なお本作のフルアーマーガンダムのカラーリングは、「プラモ狂四郎」版を思わせるブルーを基調としているが、「プラモ狂四郎」原作者:安井尚志や、漫画家:やまと虹一両氏への許諾は一切取られていないという。
※第3巻特装版には、ガンプラ「1/144 RB-79 ボール (ガンダムサンダーボルト版)」が付属。
※第3巻限定版には、「MSイラストレーションズ」(フルカラー設定集)、「ボックスアートポストカード」(6枚)、「特製部隊章カラーステッカー」、「特製収納BOX」が付属。
■関連書籍
太田垣康男ガンダムコミックはこちら
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機動戦士ガンダム サンダーボルト - 特設サイト
コミックナタリー - [Power Push] 太田垣康男「ガンダム サンダーボルト」
ビッグコミックスペリオール - 公式サイト
ビッグコミックスペリオール - Wikipedia
太田垣康男 - Wikipedia
太田垣康男 - Twitter