ガンダムコミック大全 >> 1990年代前半 >> Gの影忍
(左:ピュアサイバーコミックス版/中左:メディアコミックス版/中右:DENGEKI COMICS版/右:新装版)
U.C.0079〜0093、歴史の影に潜む「Gの影忍」の姿を描く。
U.C.0079、歴史の裏で暗躍する者がいた。彼らを機動忍者(モビル忍者)という。 その中にGと呼ばれる忍者がいた。一年戦争でア・バオア・クーの見取り図を連邦へと届けた彼は、いつしか最強の忍として認められるようになっていた、様々な戦いを経た彼は、地球外の異生命体の撃破を任務とする「百鬼夜行」へと参加する。 そして、最強の敵バイオガンダムを倒した彼の行方は知れない。
「Gの影忍」は、1989年にサイバーコミックスに連載されたこやま基夫によるコミック作品。1990年にPURE CYBER COMIXで単行本化された後、「コミック電撃大王 創刊号」掲載の「傀嘔の章」とサイバーコミック19号掲載の「犬吼哀歌」の2話を追加して1994年に「完璧版」として後に復刻されている。完璧版にはさらに「MS忍者列伝」(登場MS解説)、「忍のひみつ」(宇宙世紀の忍者の解説)、「はう・つー・Gの影忍」(おまけ漫画)も掲載。
基本的にはガンダム世界の設定を利用したパロディ作品の位置付けとなるが、非常にマジメに作りこまれており安易さを感じさせず、いまだ根強い人気を誇る作品である。当時はその人気から、ゲームブック版も発売された。
時代的には、一年戦争から逆襲のシャア直前までの時代が描かれている。宇宙世紀になっても戦いの裏では人知れずMSを駆る忍(しのび)たちが活躍していた。その忍の1人であるリョウガはガンダム(実は連邦から盗まれたG3ガンダムがベース)を愛機とし、忍の間では「Gの影忍」と呼ばれていた。ミノフスキー粒子を粉末にして撒いたり、コロニーの隔壁を畳返しのように使ったりと、忍者らしい戦い方が面白い。劇中にはシャアも出てくるのだが、彼はMSの振り下ろしたビームサーベルを素手(ノーマルスーツ越しではあるが)で「白刃取り」するという荒技を披露している。決して宇宙世紀の正史へ加わることのない作品ではあるが、パロディを超えたクオリティの高い作品となっている。
2016年5月26日より、Kindleなどから、電子書籍版の配信が開始された。電子版には、プロモデラーNAOKIが原型制作したガレージキット(キャラホビ2011で限定発売)のフォトグラフ、バンダイ版コミックスの表紙、柳瀬敬之の設定画などを特別収録している。
※a.は「虚空の章」「龍虎の章」「修羅の章」「百騎夜行」「装甲街道」を収録。「龍虎の章」はなぜか目次には明記されていないが、実際には収録されている。巻中には作者によるあとがき(1ページ漫画)「はう・つー・Gの影忍」を収録。
※b.は巻中に「MS忍者列伝」「忍びの秘密」、巻末に「はう・つー・Gの影忍」を収録。題字は中村博文が担当。
※c.巻中および巻末に「MS忍者列伝」を収録。カバーイラスト&「G」リニューアルイラスト&コーションマークデザインは柳瀬敬之が担当している。
こやま基夫ガンダムコミックはこちら
こやま基夫関連コミックはこちら
Gの影忍 - Wikipedia
こやま基夫 - Wikipedia