ガンダムコミック大全 >> 1980年代 >> サイドストーリーオブガンダムZ
(左:バンダイ版/中:メディアワークス旧版/右:メディアワークス新装版)
本伝「Zガンダム」のifストーリーとして描かれた作品。ジオン公国大佐、シャア・アズナブルは一年戦争後、妹のアルテイシアをティターンズに人質に取られ、やむなく彼等に手を貸しティターンズに身を置いていた。主任務はジオンの残党狩り。これに対しジオン軍残党は各残存部隊を糾合、反地球連邦組織「エゥーゴ」を結成、各コロニー企業の援助もあり、これに対抗していく…。やむなくシャアは、幽閉され気力を失ったアムロと再会するのだが…。
「サイドストーリーオブガンダムZ(ゼータ)」は、1987年から1988年にかけて『模型情報』や『B-CLUB』に連載された、近藤和久によるコミック作品。テレビアニメ『機動戦士Zガンダム』をベースにして、ストーリーやメカニック、世界などを近藤和久がアレンジした、よりハードで、ドラマチックな『Z』の世界。
バンダイから発行されていた雑誌『模型情報』や『B-CLUB』に連載された。当初は『模型情報』で連載が始まり、後に『B-CLUB』誌上へ移動し連載が再開した。外伝というよりパラレルストーリーとなっている。クワトロがティターンズに所属していたり、アムロがアル中であったり、エゥーゴはジオンの残党として描かれており、アニメ本編主人公のカミーユもそのジオンのエゥーゴに所属している。タイトルにあるサイドストーリーというよりも、むしろアナザーサイド的なパラレルワールドの展開になる作品。なので劇中に登場するZガンダムもオリジナルで「Zグスタフ」という、モノアイとツインアイの両方を搭載した機体として設定されている。
連載時およびバンダイから発行されたコミックのラストには「第一部完」ということで未完での終了になっているが、近年のメディアワークス版のコミックではそのまま「完」という表記になり、第一部すらなかったことなってしまい、いかんせん中途半端なままで終わっている。
単行本のタイトルとしては「サイドストーリーオブガンダムZ(ゼータ)」となっているが、連載時は「Z(ゼータ)」が主となっており、「サイドストーリーオブガンダム」(SIDE STORY OF GUNDAM)という表記は、ガンダムの外伝作品を示す枕詞でしかなかった。実際に、本作以降も「模型情報」誌上では「ダブル・フェイク」や「MSジェネレーション」といったガンダム漫画が引き続き連載されたが、それら作品にも「SIDE STORY OF GUNDAM」という表記がされていた。
元々1985年にコミックボンボン誌上で「Zガンダム」のコミカライズを担当した近藤氏だが、その後「ガンダムZZ」のコミカライズの依頼も来たが疲労を理由にギブアップしたため、以降はボンボン誌上での近藤氏の連載の話は来なくなったという。そこでバンダイ出版の模型情報・B-CLUB誌へ移り、この連載が開始された。
2014年2月10日に電子版の配信が開始された。
※No.aはバンダイ刊行のオリジナル版。No.bおよびcはメディアワークス刊行の普及版。
※バンダイ版には、設定集や扉絵集、近藤和久・小林誠の対談が併録されている。また、模型情報にて連載されていたイラスト連載「プロジェクトモビルスーツ」(1987年7月号〜1988年6月号全12回)のうち1〜8回までを再構成して収録。さらにはB-CLUBで連載(No.12〜15)されたエッセイ「MECHANIC」のために描かれたイラストを掲載している。巻末には「逆襲のシャア」プロデューサー内田健二のコメントも収録されている。
※メディアワークス版には、巻末にイラスト集を掲載している。
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近藤和久 - Wikipedia